有川浩著『明日の子供たち』読了。
刊行時に図書館で予約して、やっと回ってきました。
有川作品は人気あるからなぁ。
数か月待ちはザラです。
このお話は、児童養護施設の『現実』を描いています。
不勉強で、『養護施設』っていうと、
障がいを持った子供の施設、って思い込んでいました。
色々な事情があって親元で暮らせない子供たちの暮らす施設、
むしろ単純に『施設の子』ってくくりにしてた気がする。
私のまわりにはそういう人が...
いたような、いないような。
本人から言われるようなお付き合いの人の中にはいなかったと思う。
わかんない、隠してた人、もしかしたらいたのかもしれない。
若い頃働いていたところで、上司や先輩に、
「○○は施設出身だから」
っていうのは聞いたことがあった。
同期の女子がその○○さんと結婚したんだけど、
そういえば親族席がなかったな...
人前式だったし。
施設で暮らしている子供たちが、
自分たちの境遇について、どんな風に感じているのか。
子供たちに接する職員や、関わる大人たちの考え。
そういうことを、描いた作品でした。
有川作品にありがちな、甘酸っぱいラブコメ風味は薄めかな。
それより、
『子供が問題行動を起こすときは何らかの理屈があるはず』
これが響いたなぁ。
施設で暮らしている子供には必ず何らかの事情があって、
その事情は子供自身のせいじゃないことの方が多いわけで。
子供相手のことだけじゃないけど。
大人対大人でもそうだけど。
対人関係において、相手に対する『理解』って大事なんだなぁって、
関係ないことまで考えさせられました。